糖尿病は、体内で唯一血糖を降下させるホルモンであるインスリンの相対的欠乏(2型糖尿病)又は絶対的欠乏(1型糖尿病)によっておこる糖代謝異常です。
なぜ血糖を下げる必要があるかというと、短期的には高血糖が高浸透圧高血糖症候群(HHS)、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)という生命を脅かす状態になる可能性があることと、長期的には合併症(心筋梗塞、脳梗塞、足壊死、眼網膜症、腎症、細菌感染症など)が増加するためです。
当院では糖尿病診断時に網膜症、腎症のスクリーニングを行います。
治療は1型糖尿病の方や2型糖尿病でも著しく血糖が高い場合にはインスリン注射を導入します。2型糖尿病で比較的落ち着いている場合は、病勢とライフスタイルに応じて運動療法、食事療法を実施します。効果が乏しい場合は内服薬または注射薬(GLP1作動薬)を導入します。
矛盾するかもしれませんが、糖尿病治療の大敵は低血糖事故です。最初は副作用対策のため2-4週間間隔で通院していただき、固定の内服薬で治療可能になれば2か月程度に間隔を伸ばします。
治療効果判定は2か月毎にHbA1cという値で評価しますが、当院では迅速計測器を導入しており、日数をあけずにその場で効果判定を行うことができます。