• 2月 13, 2024

関節リウマチ(総論)

本日は関節リウマチの話です。初回なのでざっくりとしています。

関節リウマチの症状はある日突然というより、いつからかわからないけど朝起きた時に手がこわばる、なんだか手が腫れぼったいという訴えが多いです。
急な経過で症状が出現する場合は、リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群や反応性関節炎、偽痛風などのリウマチもどきを考えます。

関節リウマチの多くは手関節や指から症状が始まりますが、指のいちばん末端の関節(DIP関節)を患うことは稀です。(写真)

関節の滑膜に炎症が起こるのですが、DIP関節には滑膜が少ないためリウマチを発症することは稀とされています。
したがって、DIP関節が腫れている場合はへバーデン結節やシェーグレン症候群、脊椎関節炎などを考えます。(腫れ方も異なっており触診で分かります)

診断は臨床経過と身体所見を主体に血液検査(リウマチ因子、抗CCP抗体)や画像検査結果(レントゲンやエコー)を総合的に見て関節リウマチの診断としています。
余談ですが、健診でのリウマチ因子(RF)陽性は関節リウマチの診断ではありません。
将来的に発症するリスクは否めませんが、受診時点で関節に問題がなければ経過観察としています。
(リウマチ因子を測り続けるわけではありません)

画像検査はレントゲンとエコーを用います。
エコーは被爆がなく、痛くなく、その場で動的な評価が行える大変有用な検査です。
筆者(院長)も明確に分類できない指の炎症があり時々注射していますが、エコーではっきりと違いが判ります。写真左が炎症のある指の断面図ですが、右側の指の断面図に比べて骨(白い線)の上の軟部組織が黒ずんで厚くなっているのがわかります。炎症性物質やら滑膜やらの集合体でしょう。

当院は筆者(院長)、リウマチ科の高橋医師もエコーを得意としており様々場面で駆使しています。
最近はワイヤレスのエコーもあり、訪問診療の場でも関節注射の際に活躍しています。
リウマチの治療に関してはまたシリーズでお伝えします。

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