• 2月 19, 2024

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹ウイルス(以下VZVと呼びます)は、初感染は水痘として発症、その後数年~数十年を経て再活性化し、帯状疱疹として発症します。
これは典型的な帯状疱疹です。

この程度であれば外来での抗ウイルス薬内服治療が可能ですが、後遺症としての神経痛が残る可能性があります。

前写真の帯状疱疹と異なり、神経支配領域に無関係に出現する帯状疱疹も存在します。


臨床的には播種性帯状疱疹と呼びます。播種の場合は高齢であることや既知の疾患で免疫抑制状態にある以外に、免疫不全を来す原疾患が存在しないか検索する必要があります。
治療は原則点滴薬を使用することと、空気感染をきたす恐れがありますので、個室での入院が必要となります。
点滴薬には腎障害や脳症のリスクがある他、入院によるせん妄などのリスクもあり、死亡率が上昇します。

したがって、典型的な帯状疱疹や神経痛予防だけでなく、播種性帯状疱疹やその治療関連死を防ぐためにも帯状疱疹ワクチンが必要と考えられます

世界初の帯状疱疹に対する組み換えサブユニットワクチンであるシングリックスは、VZVの表面に発言する糖タンパクとアジュバントを混合した成分ワクチンです
アジュバントの添加により免疫原性が長く維持されることがわかって来ました。
シングリックスは接種後8年以上経過しても、予防効果が高く維持されていることが分かっており、50歳以上の方に接種が可能となっています。
また、近年は免疫不全状態と判断される50歳以下の方にも適応が拡大しその効果が期待されています。
接種のタイミング、他の予防接種とのスケジュールなど悩まれる方は当院へご相談ください。

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