- 4月 17, 2024
当院の発熱外来
今回のブログのテーマは「発熱外来」です。
Afterコロナの世界では、「コロナかそれ以外か」ということに主眼が置かれていますが
そういった視点では時に危険な発熱疾患を見逃す可能性もあるため注意が必要です。
当院では常勤、非常勤医ともに臨床感染症、臨床免疫学の適切なトレーニングを受けており
発熱外来を得意としています。
当院での大まかな診療フローは下図です。
①まず発熱疾患の多くは市中感染症(日常生活で罹患する感染症)です。
ウイルス感染は多臓器に感染し、細菌感染は単一臓器に感染します。
その原則をもとに感染している臓器を診察で推定します。
②臓器別に感染する可能性の高い微生物はこれまでの経験からある程度推測でき、
流行状況や臨床経過、検査結果をもとに診断します。
③推定と検査結果が一致した場合は診断として抗菌薬や抗ウイルス薬を投与します。
または診断まで時間を要する場合は治療的診断として治療を先行することもあります。
④海外渡航歴がある場合は、日本に生息しない微生物で感染を来している場合があります。
代表的な例ではデング熱、マラリア、チフス・腸チフス、レプトスピラ症です。
濃厚に疑われる場合は提携する高次医療機関の感染症センターへご紹介します。
⑤~⑦
経過や検査結果から感染症ではない発熱疾患の場合もあります。
⑤関節リウマチや血管炎などの自己免疫疾患では膠原病らしい身体所見や自己抗体検査で診断します。外来で治療可能な場合は当院で治療しますが、成人スティル病のように高用量ステロイドや免疫抑制剤が必要な場合は連携している総合病院の膠原病科へご紹介します。
⑥あまり聞きなれないかもしれませんが、IBDやBechet病などの自己炎症の類縁疾患や家族性地中海熱などの周期性発熱も存在します。当院では開院3か月ですでにBechet病や家族性地中海を診断し治療しています。
⑦こちらはあまり猶予はありません。白血病や悪性リンパ腫などの悪性腫瘍です。
疑われる場合は連携している総合病院へ速やかにご紹介します。
我々は発熱疾患を断らず診察いたします。