• 1月 29, 2024

尿蛋白

今回のテーマは「尿蛋白」です。
血液検査に比べ派手さはないので、異常が見逃されやすい検査です。
コンサルテーションの場でも、じつは数年前から出ていたなんてこともしばしば見かけます。

腎臓は浄水器のように血液をろ過しています。
不要な物質は尿に捨て、体に重要なたんぱく質などは逃がさないように尿から再吸収しています。
したがって、生理的範囲を越す尿蛋白は基本的には異常です。
尿蛋白の量や持続時間が累積すると、低アルブミン血症による全身性浮腫を認め、
長期的には腎機能低下にもつながります。
尿蛋白を見た際は以下のようにマクロ→ミクロの順に異常がないか目を配ります。

①偽陽性または異常なし
 (Ex 尿強アルカリ性、起立性尿蛋白)
②血中蛋白が過剰
 (Ex 骨髄腫、高ガンマグロブリン血症、プロテイン過剰摂取など)
③腎のミクロな異常
 (Ex 糸球体や尿細管の異常)

そして③のように腎臓由来であれば免疫抑制剤による治療が必要となりますが、その際には確定診断のため腎生検という検査が必要です。
腎生検は総合病院で入院して行うので、当院から信頼できる腎臓内科の先生にご紹介しています。

台東区では数年前から健診で腎機能も測定するようになったようです。
尿検査と合わせて、自分の腎機能を是非知っておきましょう。

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